【田島ひでお質問】
柿田川湧水の県営駿豆水道事業についてお尋ねいたします。
初めに、 この質問はちょうど十年前、 平成三年二月に議会において、 我が先輩の熱海市選出渡辺行久議員より発言されております。
そしてこのことは一県会議員の発言ではなく、 熱海市議会、 そして市民からの要望を越えた悲痛な叫びであると御理解いただきたいと思います。
観光地熱海が元気を取り戻すには、 強い抗生物質を打てばいいというものではありません。
観光業は熱しにくく冷めやすい経済結果そのものであります。 今さら私が申し上げるまでもなく、
昭和三十九年の熱海市の水道事業においては、 東名高速道路や新幹線の開通、
東京オリンピックの開催などから、 団体を中心とする観光施設のマンモス化は必然的に水の消費を増大させ、
特に夏場の最需要期には渇水による断水がたびたび生じ、 この対策として、
隣町の函南町さんの御厚意により、 東海道本線丹那トンネル内の分水嶺を変更していただき急場をしのいでまいりました。
このような状況の中、 恒久的な問題解決のためには、 水源の確保が急務でありながら、
水源に乏しい同市独自では困難でありました。 このため湧水量が豊かな柿田川湧水を三島市、
函南町、 熱海市の二市一町で利用できるよう県に広域水道の建設を要請し、
昭和五十年三月から日量十万トンの給水能力をもって給水されることになりました。
地元選出県会議員として、 当時の努力に感謝申し上げるものであります。
そこでお尋ねいたします。 二市一町における一トン当たりの基本使用料金は、
三島市四十七円、 函南町五十六円、 熱海市六十二円であり、 料金制度は責任水量制となっております。
また、 二市一町が給水を受けている契約水量は八万トンであります。 このうち熱海市においては、
日量契約水量四万八千トンであり、 これに基本使用料金に六十二円を掛けたものが一日の使用料金となります。
しかし、 熱海市では、 一日の実際の使用水量は平成十一年度で日量平均三万七千トンでありますので、
約一万一千トンの未使用水量が生じております。 これを料金で見ますと、
年間で約二億五千六百万円ほどになります。 熱海市としては契約制度のもと、
当然のこととして料金を支払っておりますが、 現下の財政状況のもとでは大変厳しいものがあります。
熱海市では機会のあるごとに、 駿豆水道の使用料軽減等について、 再三県当局に陳情を行い強く要望してきたことは、
市議会議員当時から十分に承知しておりました。 県当局においては、 給水責任を果たすには経営基盤の安定が前提で、
現行料金制度による運営が必要であること、 また地震対策など施設の改修、
改築において、 経費の増加が見込まれることから困難であるとの答弁でありました。
しかし、 熱海市における基幹産業であるホテル、 旅館等で使用する水の量は、
全体の三二%を占めており、 これについては観光業用水として使用しております。
観光産業も製造業と同様に、 本県の産業を支えている重要な産業で工業用水と同様と認識しております。
もちろん飲料水は塩素殺菌等を行うことにより、 給水原価が高額になることは承知しております。
工業用水との比較には無理がありますが、 柿田川工業用水の一トン当たりの基本使用料金十円はもとより、
超過料金の二十円に比べても、 水道料金の六十二円は高額であると思えるのであります。
そこで、 現行の使用料金のあり方について、 当局はどのようにお考えかお尋ねいたします。
経済状況が低迷を続ける中で、 熱海市においても財政の立て直しに腐心しているところでありますが、
ぜひとも前向きの御答弁をお願いするものであります。 合掌。
企業局長 (大澤祥男君)
県営駿豆水道事業の使用料金についてお答えいたします。
駿豆水道事業につきましては、 長年にわたり水不足の問題を抱えていた熱海市からの強い要請を契機に、
三島市、 函南町を含めた二市一町から成る広域水道として、 昭和五十年三月から給水を開始したものであります。
柿田川から熱海市への給水には、 箱根の山を越えることから三カ所の中継所を設置し、
ポンプアップを行って送水するなど、 他の市町への給水に比べ多大な費用を要しております。
お尋ねのありました熱海市の使用料金につきましては、 当初御要望に沿った形で配分した水量に基づき、
これらの費用を長期的に負担していただくため、 関係市町も含めた協議を経て決定したもので、
本事業の健全な経営に大きく寄与していただいているものと認識いたしております。
しかしながら、 御指摘もありましたように、 給水開始以来四半世紀を経て、
地域経済や社会情勢など水を取り巻く環境が大きく変化していることを踏まえ、
先般取得いたしましたISO14001の手法を取り入れるなど、 事業運営の長期的展望に立った水道料金等のあり方について、
今後関係市町と連携を図りながら協議してまいりたいと考えております。