【田島ひでお質問】
伊豆縦貫自動車道の伊豆における位置づけについてお伺いいたします。
昭和六十二年六月、 閣議決定された第四次全国総合計画において、 全国一万四千キロの高規格幹線道路網構想が位置づけられ、
第二東名自動車道、 三遠南信自動車道とともに、 伊豆縦貫自動車道も高規格幹線道路網を構成する路線として整備が進行中であります。
シンクタンクである財団法人企業経営研究所が、 九三年に伊豆の観光動向の現況、
首都圏住民の宿泊、 観光の形態をとらえ、 伊豆縦貫自動車道が及ぼす伊豆の観光への影響を考査した研究成果があります。
この中で、 伊豆各地区の観光関連団体のヒアリング調査を踏まえた上で、
地区ごとに今後の対応について検討した結果、 伊豆縦貫自動車道により地域内の移動が容易になる一方、
観光地同士の競争が激化することが予想され、 各地区では観光関連団体、
自治体、 地域住民が一体となり、 個性的で魅力あるまちづくりを展開する必要があるとまとめています。
一方、 政府の構造改革なくして成長なしの旗のもと、 公共事業の見直しも当然のことながら進められようとしております。
高速道路整備計画見直しは第三者機関で検討し来年中に結論の運びとなり、
これに対し、 十一月六日、 四十四道府県知事名の高速道路の早期整備を求める書面を小泉総理らに郵送と報道されております。
その骨子は、 国が果たすべき責任を放棄すれば、 国と地方との協力体制に重大な影響が生じるというものです。
また石川知事は、 「第二東名凍結論の内容、 論拠を見ると、 国民のごく表面的な印象に悪乗りする形で論議されている。
第二東名が凍結され満杯の現東名が放置されるなら、 これを無料化せよと声を上げざるを得ない。
手をこまねいていては判断の甘さを後で悔いることになる。 一丸となって第二東名の必要性をアピールし、
政府与党にきちんと物を申さなければならない」 と訴えております。
そうです、
必要性であります。 今大事なのは、 感情的な判断によらず、 どうして必要なのかというしっかりとした哲学を持つことではないでしょうか。
石川知事が力強く牽引した伊豆新世紀創造祭は、 上物づくり、 いわゆるパビリオン中心のイベントから、
地域住民が知恵と和をもってつくり上げることが大切で、 一過性に終わらせることなくお客様をお迎えする側がみずから改革、
展開し、 継続ある活力を地域であるいは連帯して育ててほしいと期待しているもので、
まさに必要性の哲学であったと思います。
昭和三十八年、 故河野一郎代議士が本年九月二日に薨去なされた故木部佳昭代議士の初陣に駆けつけ、
「伊豆には背骨の道路を整備し、 肋骨道路を接続しなければならない」 との熱弁。
ここから伊豆の道路行政の歴史が始まったと言われ、 三十八年が経過しました。
私は、 伊豆縦貫自動車道路を次のように位置づけております。 伊豆は一つであると同時に、
伊豆は多彩である。 伊豆はブドウの房のようなものです。 沼津から下田まで約六十キロ、
おおよそ四十五分で結ぶ伊豆半島の背骨とも言える伊豆縦貫道は、 伊豆へのお客様にとって伊豆を一つの舞台となし、
伊豆半島の観光施設や各地域の自然風土を自由に選択でき動き回れることを可能とします。
いや、 そればかりではない。 各市町村の公共事業のあり方について見直す起爆剤になるのではと思うのであります。
隣の町にある施設は人並みにうちの町でもあってよかろうという、 これまでの横並びの考えから、
「らしさ」 を求める差別化、 都市間競争への原動力へとつながるものと思います。
各市町村が箱庭に何でも詰め込むような公共事業のあり方から、 伊豆の観光施設は共有物であるという考えへの転換が必要です。
小泉純一郎首相は、 十一月十七日、 今後の高速道路整備について、 「費用対効果を厳しく見直そうというのが改革の趣旨だ。
税金の有効な使い方に対して、 今までは少しルーズ過ぎたんじゃないか」
と述べ、 費用対効果の観点から整備計画を見直す考えを示し、 また同時に首相は、
「有効で必要な道路はつくらねば」 と語っております。
そこで、 知事にお尋ねいたします。
伊豆縦貫自動車道の確固たる必要性と今後の整備方針について、 知事はどのように考えておられるのか、
御所見をお伺いいたします。
知事
(石川嘉延君) 田島議員にお答えいたします。
伊豆縦貫自動車道は、
現在国土交通省により、 全長約六十キロのうち東駿河湾環状道路と天城北道路の合わせて約二十二キロメートルが、
総事業費約二千億円にも上る大規模プロジェクトとして事業化され鋭意整備が進められております。
このうち東駿河湾環状道路につきましては、 平成十三年度末までの進捗率が約五五%となります。
また天城北道路についても、 平成十二年度から用地買収が進められております。
しかしながら、 伊豆縦貫自動車道全体の整備には、 今後とも多くの整備事業費が必要であり、
また一方では、 昨今の道路整備を取り巻く状況に大変厳しいものがありますことから、
県といたしましては、 従来の整備手法にとらわれない計画の見直しを行う必要があると考えております。
このような観点から、 現在国と共同でインターの簡素化や道路線形の見直しによりまして建設コストを縮減する、
あるいはまた国と地方で役割分担を行いまして、 県が主体となって整備をいたします国道四百十四号、
これは伊豆縦貫道に並行いたしますので、 これらを代替路として整備をする。
さらには優先整備区間を明確にし重点的な投資を行うなど、 事業費が安く、
そのためまた結果として早期に道路ネットワークの形成を完成させる、 そのための方策について検討を進めているところであります。
県といたしましては、 今後国と協力して、 この計画に基づいた整備の推進を図り、
伊豆地域の慢性的な渋滞の解消や広域的な観光の実現につながる道路ネットワークの早期形成に努めてまいりたいと考えております。
伊豆地域の道路の問題は、 高規格道路で短期間に目的地に到達できるということができればこれは望ましいとも言えますが、
一方ではその結果、 ちょっと来てすぐ帰ってしまうという結果を招来しないとも限りません。
それよりは、 むしろゆっくりと楽しんでもらうためには、 超高速ではないがスムーズに走行できる快適な道路ですね、
余り渋滞に引っかからない、 しかも乗り心地がいい、 走り心地がいい、 そういう道路の整備が必要ではないかと思います。
今後見直しに当たりまして、 そういう観点もよく踏まえて、 本当に地域にとって意味が出てくる道路、
また利用する人にとってもいい道路、 そういうものを重点に踏まえて考えてまいりたいと思います。