【田島ひでお質問】
市町村税と個人県民税の滞納整理を専門に行う機関である一部事務組合設置に向けてお伺いいたします。
石川知事は昨年九月、 情報誌へ寄稿されました。 市町村合併が進んだ段階における都道府県のあり方について、
政令県構想と徴税一元化の提案であります。 知事にかわりまして紹介させていただきます。
地方自治体が自己決定、 自己責任の原則に基づき、 真の地方分権を推進していくためには、
地方税財源の充実が何よりも重要であるため、 地方自治体が独自に地方税の増収策を検討することも必要です。
しかしながら現在の厳しい経済情勢のもとで、 住民の租税負担を大幅にふやすことは困難であり、
むしろ国、 地方を通じた行政改革による財政支出の縮減やコストを下げることが求められており、
そのための方策の一つとして徴税一元化を提案したいと思います。 現在、
国、 都道府県、 市町村の税務担当職員がそれぞれ徴税事務を担当していますが、
これを都道府県レベルにおいて一元化することができれば、 大幅な徴税コストの軽減につながり、
さらなる改革を進めるために必要と感じての現場からの発案であるというものです。
平成十二年十二月、 県議会において佃弘巳県議より、 「市町村税の徴収率の向上による自主財源の確保の方策について、
滞納整理のための一部事務組合を設置することが緊急の課題である。 早急に県と市町村が連携して方策を検討すべき」
との代表質問をいたしました。 当局答弁は、 「市町村の徴収体制の強化を支援するため、
県及び市町村の税務職員の相互交流や市町村職員のための研修を実施しているところであり、
今後とも一層の支援に努めてまいります。 また、 提案の一部事務組合の設立につきましては、
滞納整理を進めるための一つの方策であると考え、 今後市町村と連携し、
その運営方法、 利点、 問題点などを調査研究したい」 というものでありました。
茨城県では、 市町村税と個人県民税の滞納整理を専門に行う一部事務組合、
茨城租税債権管理機構を設立、 初年度においては準備不足にもかかわらず、
市町村のもとには、 同機構が差し押さえなどの滞納処分まで踏み込むとのアナウンス効果により滞納者に、
その前に払える分は払ってしまおうという心理から駆け込み納付がふえ、
関係者は設立効果はかなりあった。 今後の運営についても手ごたえを感じているというものです。
また、 同機構は公売等の強制処分を前提にしており、 受託した案件はいずれも市町村単独ではノウハウや経験が少なく処理が困難なものばかりで、
これが滞納を許す一因と見ており、 国税局OBや裁判所で競売を担当した元執行官らを顧問に迎え入れて運営し、
各市町村からも多大な評価を得ているとのことです。
十五年度当初予算においても、
一向に上向かない景気低迷の影響から、 県税収入の二百億円の落ち込みを県債発行でしのぐとの予算編成がされておりますが、
今こそこの危機的財政状況を救い、 財政の健全化のために租税債権の確保を図る組織の立ち上げを考える時期ではないでしょうか。
石川知事の提案する徴税一元化案の目指す考えと同一方向のものと理解いたします。
これまでの取り組みの経過、 並びに前向きな御所見をお伺いいたします。
知事 (石川嘉延君) 田島議員にお答えをいたします。
滞納整理を専門に行う一部事務組合の設置についてであります。
このことにつきましては、 既にそのような組合を設立しているところの運営状況について調査を行ってきたわけでありますが、
メリットとして市町村の名前より組合の名前の方が督促や滞納処分がしやすいということを挙げておるところもあります一方で、
組合への費用負担が徴収額を上回るなどの理由で業務を停止したり廃止した組合も見受けられました。
このため現在のところ総合的に見て、 一部事務組合による方法が必ずしも有効な方策であるという確信を持つには至っておりません。
県もそういう感じですし、 市町村のサイドもそういう反応でございます。
しかし、 田島議員のお挙げになりました茨城県の最近の例なども出てまいりましたので、
引き続き有効性について調査検討し確認ができましてうまく合意ができれば、
今後、 そういう方法を取り入れるようにしていきたいと考えております。
それまでの間の方策として、 これまで市町村税務職員の滞納整理事務の能力向上研修、
これを専門家を講師として入念に実施をしてまいっております。 今年度、
平成十四年度ですが、 市町村に出向いて財産調査や滞納処分の方法など具体的なノウハウを実地に助言する研修、
これにも取り組んでおります。 今後ともこういうノウハウが蓄積できる研修を充実させながら、
一方で全国調査をいま一度やりながら、 より実効性の上がる滞納整理方式、
これを考えてまいりたいそういう考えであります。