【田島ひでお質問】
県産材使用の木造住宅促進についてお伺いいたします。
一九九七年十二月に採択された京都議定書が我が国でもようやく批准され、
国連に寄託されました。 地球温暖化の問題はますます深刻さを増してきています。
この傾向をとめるには私たちの生活パターンをCO2 などの温室効果ガス排出の少ないものへと変えていかなければならなく、
そのかぎとなるのが京都議定書です。 森林のCO2 吸収が有効と認められ、
木材資源が再生可能なクリーンエネルギーであることが再認識されたものであります。
木造住宅一戸当たり炭素換算で約六トン、 また、 CO2 換算で二十二トンの封じ込め木材を使用したことになる数字もあります。
失われた森は簡単にはよみがえりません。 原生林から切り出した木材を使わないこと、
国産の木材ならば既に伐採可能になっている人工林からの木材は安心ということであります。
持続可能な森の木材かどうかが大事です。
一方、 静岡県においても、 しずおか木使い県民シンポジウムを開催、
本年度から地域の森林から生産される木材を身近な生活の場で積極的に利用していくことが、
環境を守る循環型社会の構築実現に向けて重要であるとの観点から、 県民全体で合意形成を図り木を使う機運を高めていくとしています。
ある通販付録冊子の表紙に以下の記載がありました。 「消費者は、 『環境、
環境と言いながら、 言っていることとやっていることは違うじゃないか』。
こんなふうに小売企業の言行不一致を批判することができます。 言っているとおりにきちんと実行しているかどうかを測定し、
言っていることと合っていない、 あるいは言っていることが間違っていると感じられたときは批判してください」
というものです。 笛吹けど踊らずと結果を他に求めるのではなく、 躍らせ、
喜びや感動を与え、 実際に行動してもらえる施策が大事であります。
さて、
景気刺激策の切り札としても期待されている住宅購入資金の贈与の非課税枠拡大が、
十五年度の税制改革により成立し、 本年一月から適用されたところです。
住宅購入を目的とする資金については、 何と三千五百万円まで親の年齢制限はなく、
相続時の精算を前提に生前贈与段階で無税、 ちなみに現行制度では五百五十万円まで非課税であり、
三千五百万円贈与金に対しては約一千二十三万円の課税となります。 では、
この住宅建設環境の拡大を林業、 環境に役立てないだろうか。 そして、 市町村自治体の定住人口対策に積極的に対応させることはできないであろうか。
当局よりいただいた試算によりますと、 県産乾燥材と外材集成材との平均価格差は一立米当たり流通段階では約二万五千円あり、
一戸当たりの木材平均使用量は二十七・六立米になりますので、 よって四五%県産乾燥材を利用した場合、
約三十一万円の価格差、 いわゆる割高となります。 地元建築士に聞きますと施主さんに県産材使用を勧めても得るものがなく、
それなら台所や浴槽、 照明器具のグレードアップに回した方がお得だということになるそうです。
県民の行動を変えることが必要です。
そこで例えば、 この県産材使用、
割高分を市町村の課税する固定資産税評価額より差し引き、 固定資産税の減免へとする協力を求めたらいかがでしょうか。
現在、 平成十六年三月まで新築住宅に対して固定資産税は二分の一に軽減されております。
固定資産税課税は市町村の問題であり、 県が立ち入る分野ではないという受け身の姿勢でなく、
県から仕掛けることを期待するものです。 また、 単なる税の減免の立場からだけでなくCO2
削減の環境面、 市町村における定住人口対策など多面からの積極的な働きかけをしていただきたい。
選挙も間近です。 手ぶらで玄関をあけるのはなかなか難しいものですが、
お渡しする機関紙一つ手にするとずうずうしく玄関をまたぐことができます。
同じことです。 具体策を持てば全市町村へ能動的に行動できるはずです。
そこで県は、 県産材を利用した木造住宅の建設促進のため、 市町村と連携してどのように取り組んでいかれるのか御所見をお伺いいたします。
知事 (石川嘉延君) 田島議員にお答えをいたします。
県産材使用の木造住宅建設促進についてであります。
県産材の需要量の七割を占めます木造住宅建設は、
森林が持ちます多面的機能の持続的発揮につながるとともに、 環境負荷の少ない循環型社会の構築に大いに貢献するものであります。
現在、 県内の七十四市町村のうち、 五十七の市町村で独自の住宅建設助成を実施しておりますが、
中でも地元建築業者の利用を条件として建設資金を直接補助するユニークな助成制度は、
大変好評であるというふうにも聞いております。
今年度実施をいたしました県政世論調査における木材の利用を進めるために必要な取り組みはどんなものがあるかという質問に対して、
木造住宅助成への県民の期待が非常に高いということが判明いたしましたので、
県としても木造住宅への利子補給制度の利用促進を図るために、 大工さんや工務店等と連携したPR活動を推進するほか、
市町村の助成制度との相乗効果が図れるように、 魅力ある制度づくりに向けて方策を考えたいと検討する考えであります。
さらに、 県民に木を使っていただく機運の醸成も重要だということで、
今年度から新たにしずおか木使い県民運動を展開しているところでありますけれども、
この一環といたしまして本県の気候風土に合い、 長く使われている優良な木造住宅を、
インターネットによる木と竹の電子情報館などを通じて紹介することによって、
県産材のすばらしさを広めておるところであります。 また、 市町村とも十分連携をとりながら公共施設で率先して県産材を使用することにより、
県民に木を使う意義や木のよさを広くPRし、 木造住宅の建設促進につなげてまいりたいと考えております。
いずれにしても、 この木の利用の問題は田島議員もお触れになりましたが、
経済合理性とそれからまた実際に家を建てる人、 利用する人がほんとにこれを使いたいんだとか、
使ってよかったという、 そういう実感、 そういうことが非常に重要ではないかと思うのですね。
そういう意味で熱海市が、 文化財という観点からでありますが、 木造住宅のすぐれたものであります起雲閣などを市の財産として購入して市民に公開してると、
これも間接的ではあっても木造住宅のよさ、 これのPRになると思うんですね。
このような建物を代表例にしながら、 県にはそのように木造住宅のよさを実感できるものがたくさんありますので、
そういう啓発にも力を入れていく考えであります。