【田島ひでお質問】

十一月四日に開催された地震防災シンポジウムにおける、 県の建物の耐震性の公表についての考えをお示しください。
地震対策について
【田島ひでお質問】
 
地震対策について伺います。
 まず、 公共施設の耐震化についてであります。
 七月二十六日未明から夕方にかけて震度六強の強い揺れが続いた宮城県北部の地震は、 住宅の全壊やブロック塀の倒壊などが相次ぎ、 揺れによる災害の怖さを改めて教えてくれました。 「東海地震の揺れは、 より過酷、 建物の耐震化推進を急ぐべき、 従来から耐震性が問題視されているタイプの建物が被害に遭った、 教科書どおりの結果である」 と名古屋大学院教授は指摘しています。 全国の公立小中学校の校舎や体育館十三万一千四百八十二棟のうち、 耐震性に問題がないとはっきりしているのは半数以下の四六・六%にすぎないことが八月四日、 文部科学省の調査で公開されました。
 静岡県の耐震化率は、 小中学校で校舎部八一・五%、 体育館六五・五%です。 高校においては校舎、 体育館で七〇・四%、 盲・聾・養護学校施設で九八・四%です。 学校施設は災害時に避難所になることも多く、 設計基準の改定で一九八二年以降は耐震性が確保されましたが、 それ以前の建物は耐震診断が必要とされています。
 さきの宮城県地震において、 震源地に近い似た構造の二つの中学校校舎のうち、 耐震改修済みの校舎にはほとんど被害が出なかったことが、 東北工大の調査でわかりました。 二校は直線で約三キロの距離で、 ともに鉄筋コンクリート三階建て、 柱の配置などはほぼ同じ。 A中学校は一九六四年、 B中学校は一九七〇年に校舎が完成、 B中学校は耐震改修を実施、 廊下と教室の木製間仕切りを各階数カ所ずつ教室の前後の出入り口の間約七メートルについて、 厚さ二十センチのコンクリート製の壁にしました。 地震では窓ガラスが割れたが建物自体は無事でありました。 A中学校は通常の間仕切りのままで、 太さ七十五センチの柱三本の一階部分に斜めの亀裂が入るなど計八十八カ所にひび割れが生じ、 全十七教室のうち十一教室が使用できなくなりました。 大学教授は 「耐震改修の有効性が大きな地震で初めて実証された」 と話しております。 耐震化の有効性が具体的に見られたのですから、 急がねばなりません。 やるべきです。
 そこで小中学校校舎、 体育館、 高等学校校舎、 体育館の耐震補強工事の今後のスケジュールについてお聞きいたします。
  
教育長 (鈴木善彦君)  
 
地震対策についてのうち、 公共施設の耐震化についてお答えいたします。
 学校の耐震補強についてでありますが、 県立学校の耐震化は児童生徒や教職員の生命の安全確保を第一に、 平成十三年度時のEランク校舎の倒壊防止対策工事をすべて実施したほか、 Dランク校舎の補強工事を平成十七年度までに完了する予定であります。 また地域における避難所機能の確保が極めて重要であると考え、 すべての体育館の天井材、 照明器具等の落下防止工事や避難所指定校の体育館の補強工事を平成十五年度新たにスタートし、 平成十七年度までに完了する計画であります。
 市町村が耐震化を進める小中学校につきましては、 国庫補助予算の確保や相談、 支援の強化に努めるとともに、 県立学校については、 高等学校再編整備も視野に入れ、 耐震化が必要な学校施設について、 平成二十二年度までに耐震化一〇〇%達成を目指してまいります。
 なお、 宮城県北部地震での学校耐震補強工事の有効性を教訓とし、 安全な教育環境の確立は本県の魅力づくりにもつながるとの認識に立ち積極的に取り組んでまいります。  
総務部長 (橋本嘉一君)  
 
地震対策についてのうち、 公共施設の耐震化についてお答えいたします。
 耐震性の公表についてでありますが、 本年七月二十九日に閣議決定された東海地震緊急対策方針の中で、 災害時の拠点となる学校、 病院、 市役所等の公共建築物の耐震化とあわせ、 耐震性の状況を公表する方針が示されました。
 この方針を受け、 県では現在、 庁内関係部局で構成するワーキンググループにおいて、 県が所有する学校、 病院、 庁舎等の耐震性について再点検を行うとともに、 耐震性の公表の方法等について検討しているところであり、 その結果を踏まえて、 今年度末を目途に耐震性に係るリストを公表する予定であります。 また市町村が所有する建築物のほか、 公共性の高い民間建築物の耐震性の公表については、 基本的にはそれぞれの建築物の所有者の判断にゆだねられるものですが、 順次拡大が図られるよう調整に努めてまいります。 
【田島ひでお質問】
 
既存木造住宅の耐震補強についてであります。
 東海地震対策の木造住宅耐震化プロジェクト 「TOUKAI−0」 における耐震実施件数は伸び悩んでいるとの報告をいただいております。 先般の宮城県北部の地震を踏まえ名古屋大学院教授は、 「家がつぶれてもつぶされないような空間を確保できる対策を、 一メートルでも空間があれば命は助かる」 と助言しています。 具体的には、 低い家具の設置や防災ベッドの有効性を挙げています。
 そこで、 寝室などその家の一番無防備な空間の場や時間を一番過ごす部屋などを集中耐震化することを進めたらと思います。 家全体の耐震化は理想でありますが、 国民の財産より生命の安全確保にシフトした財源活用をすべきではないでしょうか。 既存木造住宅の一部耐震化など具現化への対応策についてお伺いいたします。  
都市住宅部長 (田邉義博君)  
 
地震対策についてのうち、 既存木造住宅の耐震補強についてお答えいたします。
 地震による家屋の倒壊から、 より多くの県民の命を守るためのプロジェクト 「TOUKAI−0」 では、 建物が倒壊しない一応安全となる耐震評点一・〇以上の補強を補助の対象としております。 これまでにも、 住宅の中央部の一部屋をシェルター化することで建物全体の耐震評点が一・〇以上になるものに対しては補助しております。
 御提案の建物全体ではなく寝室や居間などの一部空間の安全性を確保する補強も有効な対策の一つと思いますが、 地震発生時に家族がそこにいないこともあるなど課題もあると考えられます。 しかしながら、 東海地震から県民のとうとい命を守ることは大変重要なことでありますので、 具体的事例の実績等を参考にしながら関係部局などと検討してまいりたいと考えております。