【田島ひでお質問】
信用補完借りかえ枠の創設について伺います。
ありがとうございます。 まず、 本議案の提出を心から感謝申し上げます。
大好きなビールに手が伸びない、 ぶるぶる震える、 小雨が冷たい。 腕組みをし、
いすに腰かける。 助け船とばかりに湯気の立つおでんにはしを刺す。 八月十六日、
夏本番ではありませんがまさに夏、 熱海市多賀海岸における百八体かがり火による灯籠流しの一こまであります。
ことしの冷夏と長雨は、 景気の足踏みをさらに重くするもので、 その影響は飲料食品、
衣料からエアコンに代表される家電製造業、 そして宿泊産業まで、 売り上げのダウンや利用客の減少など幅広い業種において影響を与えました。
自然による悪質ないたずらではありますが、 その後遺症は特に厳しい経営環境にある中小企業に少なからず残っております。
一方、 ホテル、 旅館などの観光業などを中心として、 土地などの資産を担保とした融資を受けている中小企業者は、
特に売り上げの減少以上に資産価値の下落がとまらず、 資金繰りに苦慮しているのは承知のとおりであります。
例えば個人信用力だけの資金調達は難しく、 公的な保証協会を利用している多くの中小企業者は、
信用保証のシステム上、 資産価値の低下に伴い無担保保証枠は当然ながら縮小し、
決済資金などの調達に支障が出始めております。
熱海市の一等地における地価などは、
バブル期の十分の一まで実勢価格が下落するなど、 債券としての数値が生産性の数値からは下がり過ぎています。
地価を上げたりも上げたりですが、 下げたりも下げたりです。 多くの事業者は地べたに立ち、
その上のなりわいで食べさせていただいております。 極めて高い地べたに食べさせてもらっているのではありません。
お客様へのおもてなしの対価なのです。 このいたずらは自然がしたものではありませんよね。
政策のいたずらとも言っておきましょう。
これに対して本県信用保証協会には、
この信用収縮をできる限り緩和すべく配慮をいただいておりますが、 しかし長引く景気低迷の中で増加する代位弁済の影響もあり、
維持が困難となってきているとお聞きしております。 もとよりバブル期における土地の資産価値については異常を通り越し、
でたらめとも言える状況でありました。 今日の状況については底に着いたとは確認できませんが、
本来の軌道上に戻り、 調整の段階ではないでしょうか。
県では、 なるべく土地などに依存しない資金の調達方法として、
県信用保証協会が行っている売り掛け債権を活用する保証制度を利用しやすくするなどの対策を講じ、
また国においては、 在庫品などを含む動産を担保として利用できる保証制度の検討を始めているとお聞きしております。
売掛金を担保とするには、 まだまだ抵抗があるのが実情とも聞いております。
よって今回の新たな借りかえ枠の創設により、 県制度融資の充実を図り、
土地資産などを担保にして県信用保証協会の保証を受けている中小企業の資金繰りを支援することは、
時期的にも理にかなったものであると考えますが、 具体的な県の考えを伺います。
商工労働部長
(谷 和実君)
県制度融資についてお答えいたします。
信用補完借りかえ枠の創設についてであります。
信用保証協会の保証のうち担保を必要とするものについては、 必ずしも個々の事業者の責任に帰すことができない長期にわたる地価下落の大きな影響を受けております。
具体的には、 担保を再評価し、 その評価額が既存の借入額を下回った場合、
評価額を超えた部分は自動的に無担保保証扱いとなり、 中小企業者にとって最も利用しやすい無担保保証枠を減少させ、
また当座貸し越し根保証を初めとする根保証にあっては、 根保証の機能そのものを失わせて手形決済などに支障を来すことになります。
現在、 その兆しが見られる景気回復の動きが今後本格化して、 地域の中小企業にまで波及することに期待をかけているところですが、
この回復が実現する前に担保割れにより息切れしてしまうような中小企業が生ずることが懸念されますので、
緊急的に三年間に限って、 信用補完借りかえ枠の創設を今議会にお諮りしているところであります。
内容といたしましては、 担保の再評価により、 評価額を超える借入額が生じた場合には、
その超過分をこの制度で借りかえることによって、 無担保保証枠の温存と根保証機能の維持を図るものであります。
県といたしましては、 中小企業の皆さんがこの新しい制度を活用され、
当面の資金需要をしのいでいただき、 これを機に積極的に経営革新等に取り組まれ、
経営体質を強化されるよう期待しております。